【第4幕:長谷堂の戦い、義姫救出と前田慶次との大決戦】
時は流れ、慶長5年(1600年)。天下分け目の関ヶ原の戦いに連動し、東北でも戦火が爆発した。直江兼続率いる2万の上杉大軍が、山形の最上義光(もがみ よしあき)の領地へ急襲。最上家は滅亡の危機に瀕していた。
さらに最悪の事態が発生する。かつて大崎の戦場で80日間にわたり居座り、命懸けで戦争を止めてくれた伊達政宗の気高き実母・義姫(よしひめ)が、戦火のなか、山形と仙台の国境近くの激戦地で上杉軍の包囲網に孤立してしまったのだ。 政宗は母の危機に激しく焦燥するが、伊達の本隊は軍略上の理由から即座に動けない。
この危機に、かつて名を捨てて「寺尾」となった善右之門が立ち上がる。しかし、敵は2万の上杉精鋭。単身では到底太打ちできない。その時、夜霧の向こうから、地鳴りのような馬蹄の響きと共に、伊達家の重臣としての凄じい風格と高い格式をまとった若き傑物が現れる。 それは同じ名字を持ちながら、大崎中目とは「出元も血統も全く異なる、完全に違う血」であり、家格としても圧倒的に格上の名門・「白石の中目」であった!
白石の中目(気高く冷徹な、だが熱き眼光で立ち塞がる):「善右之門殿、勘違いするな。我らは同じ『中目』を名乗れど、出元も違えば流れる血も違う。だが、伊達の重臣として、この国の未来を憂う心は同じだ。秀吉に名も領地も奪われ、死人となった大崎中目の無念……別の血なればこそ、我が中目の格式に免じて、見過ごすわけにはいかぬ! そして何より、かつて大崎の仮屋で凄じい覚悟を示し、我らをも動かした義姫様を救うため、白石の精鋭を率いて助っ人に参じた! 行くぞ、泥を這う中目の執念、名門の意地と共に見せてみよ!」
違う血、違う出元のカリスマたちが、義姫救出という唯一無二の大義のために手を組んだ、最強の『二人の中目』による反撃が始まった!
二人の精鋭部隊は、上杉の包囲網を鮮やかに潜り抜け、激しい矢弾のなかから見事に義姫を救出! 最上軍の誇る闘将・鮭延秀綱(さけのべ ひだつな)の軍勢と合流し、長谷堂の戦場へと義姫を送り届ける。
しかし、その撤退戦の最中、上杉軍の殿(しんがり)から、地鳴りをもっと震わせる凄じい大笑いと共に、規格外の巨躯の男が立ち塞がった。朱槍を豪快に振り回す、天下無双の戦国傾奇者――前田慶次(まえだけいじ)である!
前田慶次:「ハハハハ! 最上の義姫を奪い返すとは、面白い泥泥のネズミどもめ! だが、この前田慶次がいる限り、ここから先は一歩も通さん!」
慶次の一振りが、風を切り裂き、周囲の兵を吹き飛ばす。絶体絶命の死闘が始まった。
白石の中目:「格式だけの名門と思うなよ、傾奇者! 我ら違う血の中目が交われば、その連携は天下をも穿つ! 左は我が白石の兵が引き受ける、善右之門殿、仕掛けよ!」
白石の中目がその高い身分と圧倒的な武芸で慶次の朱槍の猛撃を真っ向から受け止め、凄じい力で慶次の動きを一時的にロックする。その瞬間、善右之門が泥を跳ね上げて慶次の視界を奪う。
前田慶次:「ほう、異なる血でありながら、これほど息の合った連携! だが、これならどうだぁッ!」
慶次が力任せに放った一撃が、白石の中目の刀を激しく火花を散らして押し戻す。だが、それこそが中目たちの罠だった。慶次の体勢がわずかに崩れたその一瞬、泥の底から飛び出すように、主人公・善右之門が、敷玉・宮沢の民の怒りと誇りを乗せた泥まみれの一撃を、慶次の胸当てへと叩き込んだ!
ガキィィィン!!!
激しい火花が散り、天下の慶次が初めて数歩、後ろへとよろめいた。慶次の一瞬驚愕の目を見開いた後、豪快に天を仰いで大笑いした。
前田慶次:「素晴らしい! 家格高き白石の刃に、名誉を捨てて泥にまみれた大崎の牙か! 違う血の『中目』の漢たちよ、見事なり! 此度は我が負けだ、行けい!」
慶次を相手に、格上の白石の中目が真っ向から受け止め、泥を這う善右之門が決めるという完璧な連携を見せ、道を譲らせた。最上家は奇跡の九死に一生を得た。
戦後、最上義光と義姫から伊達政宗に対し、最大級の感謝状(書状)が届けられた。政宗は、家格高き白石の中目をも動かし、己の血族の絆を超えた圧倒的な知略と武勇で前田慶次すら退けて母を救い出してみせた大崎中目一族の恐るべき執念に、再び激しく震撼するのだった。
「この物語のどこまでが真実で、どこからが虚構かは、読者の想像にお任せします。」

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